【刀ステ感想】科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』改変 いくさ世の徒花の記憶 の世界を味わってみて

先日、晴れて千秋楽を迎えた「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花(“綺伝 いくさ世の徒花”には取消し線入る)」。

新型コロナウィルスの影響で数々の舞台が中止や延期を余儀なく選択せねばならない中、刀ステも本来上演するはずであった内容を大幅に変更し「科白劇」という2.5次元舞台の中では新しいスタイルで上演が決定、無事千秋楽を迎えましました。


2.5次元舞台史上初の科白劇というスタイル、さらにはフェイスガード装着での上演ということで観劇前は不安が募る中初日を迎えた2020年7月16日。

「このクオリティの舞台を、いつもより短い稽古期間で仕上げてきたの?」とこれまでシリーズを通して観ていたファンから大好評を得ました。


今回はそんな刀ステを観た感想をお伝えしていこうと思います♡
気になる方は是非本編DVD/Blu-rayの予約が開始されていますのでチェックされてみてくださいね♪

管理人

今回の感想は、あくまで管理人個人の感想です。また、今回は千秋楽配信を観た感想を掲載しています。

いくさ世の徒花の記憶を観る前に

原作の「刀剣乱舞-ONLINE-」はイケメンに擬人化された日本刀を育成する、育成シュミレーションゲーム。
ゲーム開始直後、プレイヤーは最初に本丸に迎え入れる刀剣男士を選ぶ事が出来ます。


加洲清光・歌仙兼定・陸奥守吉行・山姥切国広・蜂須賀虎徹の5振りの中から選ぶこととなり、その五振は「初期刀」という愛称でも親しまれています。

本作までに、刀ステではその中の歌仙兼定・陸奥守吉行・山姥切国広の3振が登場。
これまでのシリーズで第一章では山姥切国広が、第二章の維伝では陸奥守吉行がメインになったストーリーでした。

そんな中、ついに今作では歌仙兼定がメインということで、発表時からかなり高い期待が寄せられていました。


メインとなる歌仙兼定を演じたのは和田琢磨さん。
和田さんはこれまで出演されていた刀ステでも、歌仙同様雅なお顔立ちや、達筆な和歌をしたためることでも知られている俳優さんです。

歌仙は優美なだけでなく、ちょっと世間知らずで抜けている可愛らしさも兼ね備えている刀ステの歌仙。

これまでのシリーズでは納谷健さん演じる小夜左文字に突っ込まれたり、こっそりと面倒を見られていたり…とそのギャップにきゅんとなりました。
今回の科白劇でも、どんな歌仙が見られるのだろうかと楽しみにしていました。

原作ゲーム内の回想や義伝にて小夜から「歌仙は人見知りの裏返しでよく喋る」と評されている歌仙。
これまでの刀ステシリーズの中でも、人見知り故ついつい歌仙は他の刀剣男士に攻撃的な発言をしてしまうことがしばしば見受けられました。

今作では子守係とも言える小夜がいない中、新しく登場した塚本凌生さん演じる古今伝授の太刀や、星元裕月さん演じる地蔵行平との関係性はどうなるのだろうかという点も、上演前から気になっていました。

特命調査 慶長熊本

今作でモチーフにされている、原作イベントである特命調査 慶長熊本。
ゲーム内でもイベント開始の合図にもされた古今伝授の太刀からの入電。

https://youtu.be/xcpoN91YgsA

これまでの入電であれば、特命調査の内容を軽く説明するようなものでしたが、今回はそれが唄であったことで謎が深まったことかと思います。

世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

古今和歌集と伊勢物語にある在原業平の唄とされており、獅子王による「桜は何れ散る、この世に桜などなければその散りように心を痛めることもないってところか」という台詞の解釈でも知られているものになります。

歴史的なことを言うと、惟喬親王へ在原業平が贈ったとされているこちらの唄。
第一皇子でありながらも出生の問題により皇位継承から外されてしまったことを風刺したとも取れる内容でもあります。

そして作者不明ではありますが、この唄の返歌とされるものがこちら。

散ればこそいとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき

これは「桜は散るからこそ一層美しいのです。この辛い世の中で変わらずにいることができるものがあろうものか、いやありません」という意味になります。

今作の最期を知ると何故古今伝授の太刀が入電にあの唄を選んだのか、そして時間遡行軍の力により己の未来を知ってしまった歴史上の人物達がとった行動にも、その唄にある意味を勘ぐってしまうものです…。

ガラシャの辞世の句にも、実は花に纏わる言葉が登場します。

散りぬべき時知りてこそ世の中の 花も花なれ 人も人なれ

こちらは「花は散る季節を知っているからこそ花として美しい。人である私もそうありたい」という意味合いを含んでいるとされています。

ライブ配信で観た一度目と、再ライブ配信で観た二度目。唄にある意味を紐解きながら観ることで、より作品を知ることができた気がします。

美しい花々

ガラシャの生家である明智家家紋でもあり、舞台にて度々ガラシャと共に描かれる紫色の桔梗。

紫色の桔梗には、「永遠の愛」と「気品」という花言葉があります。
気品ある女性と謳われたガラシャ、そして歴史改変されても尚惹かれ合うガラシャと忠興や刀剣男士の本能をかなぐり捨ててでもガラシャの手を取った地蔵行平の中にある様々な物語の存在に通ずるものがあるかと思いました。


当初綺伝として新作発表がなされた際公開された動画にも、桔梗ではありませんが花びらが舞っている様子がわかります。
そのことからも、唄だけでなく「花」が物語の中でも重要なものであることが窺えるかと思います。

七海さん演じるガラシャが生まれた赤子を抱きながら歌っておられた歌詞の中に「牡丹花咲き末は桔梗咲く」とあるのも、歌仙兼定の胸元にある花が牡丹から極になると桔梗に変わることとも関係がありそうで…考えれば考えるほど様々な考えが生まれてきました。

魅力溢れる登場人物

刀ステと言えば、多くの2.5次元舞台で活躍されている俳優さんたちも注目のひとつかと思います。

山姥切長義 梅津瑞樹さん


第一章のラストである慈伝より出演されている、梅津瑞樹さん演じる山姥切長義。

慈伝では荒牧慶彦さん演じる山姥切国広とお互いに抱えている物語からくるこじれた関係性がメインとなっていました。

今作ではそこからかなりの成長を遂げている様子が窺えます。
今回編成されている部隊の中では随一の常識人であるため、にっかり青江や亀甲貞宗の妖しいやり取りにため息をつきつつも、つっこんでは頭を抱えている姿に成長を感じました。

元々は政府より派遣された特命監査官という立場であったからということと自身への絶対的な自信のおかげか、今作でも巧みな話術で相手を誘導するその統率力の高さは、原作ゲームの設定とは多少異なるかも知れませんが惹き込まれます。

細川ガラシャ 七海ひろきさん


歴史上の人物でありながらも、今作のキーパーソンである七海ひろきさん演じる細川ガラシャ。

舞台版の刀剣乱舞史上初の女性キャスト出演ということで、キャスト発表時よりかなりの話題にもなりました。

元宝塚歌劇団の男役という華々しい経歴の持ち主であることに納得のビジュアルと舞台上での凜々しい姿。
刀剣男士を観に行ったはずがガラシャの女になって帰って行く審神者が続出したと聞き、千秋楽のライブ配信を楽しみにしていました。

七海さんが千秋楽を迎えた日に投稿なさっていたこちらの写真2枚目。

早乙女じょうじさん演じる細川忠興に「ヘビのような女」と称されていたということからか、まるでヘビの鱗のような生地に黄金のヘビが胸元や肩に施され、リップの色も変えられています。
登場した瞬間、あまりの美しさに思わず息を呑んでしまいました。

宝塚歌劇団のファンからはベルサイユのばらのオスカルとエリザベートのトート閣下の世界観を足して2で割ったようなビジュアルだと賞賛され、退団後にまたこんな姿が見られるだなんて…!、と大盛り上がりのようでした。

にっかり青江 佐野真白さん

千秋楽のカーテンコールで印象的だった、にっかり青江役の佐野真白さん。

亀甲貞宗役の松井勇歩さんも仰っていましたが、刀剣乱舞に出るのが夢だったと口にされていたことと出演に至るまでの想いが溢れて思わず涙を浮かべられていたのが本当に自身の演じるキャラクターを大切にされている気持ちがより一層伝わってきました。


佐野さんと言えばミュージカル「テニスの王子様」壇太一、「ミュージカル ヴァンガード」小茂井シンゴ役、「ミュージカル RICE on STAGE ラブ米」にこまる役など、とにかく可愛らしいキャラクターを演じることが多かった印象。

にっかり青江役が発表された際には、驚きと共にどんな青江になるのか想像もつかず、実際に見られる日を楽しみにしていました。
これまでのイメージとはガラッと変わった大人な雰囲気。

同タイトルのミュージカル版、刀ミュにて同じにっかり青江を演じているのは荒木宏文さんということもあり、プレッシャーは相当のものだったと思います。

いつもの優しげな目元もメイクにより切れ長なセクシーな感じになっていることにも意外性があり、ミュージカル 刀剣乱舞でにっかり青江を演じておられる荒木宏文さんとはまた違う青江はドキッとくること間違いなしなクオリティでした。

亀甲貞宗 松井勇歩さん

亀甲と共に妖しげな空気を纏い妙な言い回しをしては長義が頭を抱える…これまでの本丸になかった関係性に思わずにやけてしまった方も多いのでは?


青江と共にとにかく長義を困らせることに長けていた亀甲貞宗を演じる松井さん。
慈伝でアンダースタディーとして参加していたという、これまでの刀剣男士にはない経歴の持ち主です。

アンダースタディとは元々のキャストに何らかの事情があり出演できなくなった際に代役として出演する控えのキャストのことを意味します。

慈伝ではこれまでの刀ステ史上最多の出演者数でしたが、松井さんは全てのキャストのアンダーとして控えておられたため全員分の台詞や動きを把握しておかなければならないという高い技術力を持っていたわけです。


そのため、亀甲貞宗としての出演が発表された際は刀ステファンのみならずこれまでの共演者の皆さんからも暖かいお祝いメッセージが寄せられていました。

そんな松井さんだからこそ、人一倍熱い思いを持って挑んだ今作では青江との妖しげな会話だけでなく亀甲ならではな台詞が多く聞けたことも嬉しかったです♪

長義と2振ではったりを繰り出すシーンでは、その生き生きとした表情に思わず笑顔になってしまいました。

獅子王 伊崎龍次郎さん


伊崎龍次郎さん演じる獅子王。

発表時から気になっていたのは、やはり鵺の存在です。

生き物がいる刀剣男士は、刀ステではこれまで慈伝で設楽銀河さん演じる五虎退が登場しています。
しかし、メインビジュアルでは虎が1頭いましたが実際の舞台では見かけなかったこともあり、鵺はどうするのだろうか…と気になっていました。

獅子王の鵺は、メインビジュアルと何ら違うことないクオリティで肩にのっていたことに驚きました。
そしてその鵺をものともせず身軽に動かれる伊崎さんに更に驚きしかありません…。

小烏丸のモノマネも似すぎていて実は玉城裕規さんの音声が流れているのでは?!と勘ぐってしまうレベルでした…。

表情豊かな獅子王。にかっと笑う姿は、まるで本物の獅子王が舞台に出てきたかのようでした。

獅子王 伊崎龍次郎さん

篭手切江役の大見拓土さんはそのその身軽さは勿論のこと、私のようにまさかのダンスシーンにときめいた方もおられると信じております…。

篭手切と言えばアイドル、ダンス、ステージ。


刀ステではこれまでOPとEDにダンスがあるのがセオリーでしたが、新型コロナウイルスの影響もあり今作ではそれはカットされていました。

せっかくの篭手切だけど仕方がない…と諦めていた分、あの1シーンはかなりテンションがあがりました♡
篭手切につられて歌仙兼定が戸惑いながらも口すさんでいるところも込みで良いシーンでした…!

古今伝授の太刀 塚本凌生さん

https://www.instagram.com/p/CDd_7RwgRn9/?utm_source=ig_web_copy_link

古今伝授の太刀を演じられた塚本凌生さん。その佇まいは勿論のこと、声や喋り方がとにかく原作に似ていることにも驚かされました。

これまであまり2.5次元舞台に出演されている経歴がないこともあり、私同様驚かれた方も多くおられたことでしょう。

カーテンコールでもずっと古今伝授の太刀らしいスタイルを崩さずにいてくれたことも嬉しいですね♡

地蔵行平 星元裕月さん

ガラシャ役の七海さんと共に、性別の域を超えた美しさを誇る地蔵行平役の星元裕月さん。

お稽古場の写真でもこの中央にいる女の子は…?となった方も多いかと思いますが、地蔵行平を演じる姿は全く雰囲気が変わっておりその変貌ぶりに目を疑いました。

刀剣男士としての本能とも言える歴史を守るという宿命に逆らってまでガラシャと逃げてしまい、その自身の行動に戸惑いつつ、更にはガラシャの言動に人間らしい反応を見せるその繊細な演技には思わず涙が出てきました。

これまでの美しさと打って変わりラストシーンの激しく感情を露わにした部分では、地蔵同様思わず大泣きしてしまい、ライブ配信でよかったと思ったほどです。

その他にも、魅力あふれる方々が大勢

ジョ伝で黒田官兵衛役として出演されていた山浦徹さん。
今作では黒田孝高役での出演が発表された際は、思わず心躍りました。


科白劇ではなくてはならない存在であった、講談士もとい刀装の神田山緑さん。

初めての舞台出演であったとのことですが、神田さんがいたからこそアンサンブルが一切出演していない今作での時間遡行軍やソーシャルディスタンスが守られた殺陣にも臨場感が生まれたかと思います。


使用される張り扇も自作で舞台に合うように改良されていたりと、観客により楽しんでもらえるよう趣向を凝らしてくださっていることも嬉しいですね。

まとめ

今作は中々厳しい状況の中での上演ということで、初日前には一体どんな作品になるのだろうかと不安の声も多かったかと思います。


初日が明けるとこれまでとは全く違った形式ではありますが舞台「刀剣乱舞」の魂を充分に受け継いだ名作だったことに安堵と、こちらのドキュメンタリー動画を見るだけでもこれまでのお稽古期間よりかなり短い中でもここまでのクオリティを妥協することなくキャストさんとスタッフさんが一丸となって作り上げてくださったことに感謝しかありません。

別の本丸の資料として送られてきた戦績資料と、以前の自分たちの特命調査と照らし合わせることで物語がスタートする今作。

2020年に起こっている厄介なことを調査すべく遠征に行くことで締められており、何れ必ず自分たちの特命調査のことを詳しく話してみせると宣言してくれた歌仙の言葉を信じたいです。

いつか本来の「綺伝 いくさ世の徒花」が世に出ることを心から願いつつも、次回作でまさかの鈴木拡樹さん演じる三日月宗近と荒牧慶彦さん演じる山姥切国広が各々出演する大坂の陣にも胸躍りますね♡

鶴丸国永役の染谷俊之さんはもちろんのこと、新キャストである本田礼生さんの一期一振にも期待大です!
綺伝と新作2作品の幕が開けるその日までキャストさんやスタッフさんはもちろんのこと観劇する私たちも健康に留意しつつ楽しく待ちましょう♪

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