秋が深まるにつれ、なんだか感傷に浸りたい気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
「悲しいテーマの作品」は不幸や失恋、喪失のように観劇後ひたすらに苦しい負の感情に苛まれるものもあります。
それもそれでとても楽しいのですが…感傷に浸りたいときにおすすめしたいのは「切なさ」。
「切ない」は悲しみという負の感情だけではなく、喜びや幸福も混在しています。
それゆえに作品に残されたわずかな希望に美しさを感じたり、物語を通じて生きる意味や選択の難しさを考えたり…と感情の整理が必要なときや、秋の夜長にはぴったりなんです♡
今回ご紹介する作品は、いずれも思わずポロっと涙がこぼれ落ちてしまいそうになる、そんな作品たち。
綺麗で脆くて、どうにか全員に幸せになってもらいたいのに救える手立てがなくて…。
ただ悲しいだけではなく胸がきゅっと締め付けられる。舞台上で表現される作品だからこそ味わえる「切ない」を、この機会に触れてみてはいかがでしょうか?
目次
ミュージカル「黒執事」-Tango on the Campania-
切ない、がテーマの作品でまずご紹介したいのがミュージカル「黒執事」(通称:生執事)。
正直に書くと、この作品を紹介したいが故にこの記事を作りました。
それくらい見ていただきたい作品…!
2.5次元舞台の中でもハイクオリティ・完成度の高さで知られるシリーズ。
原作は言わずと知れた枢やな先生の同名タイトルの漫画。
ミュージカルでは出演キャストさんの入れ替えも挟んでいますが、海外公演も行われるほど人気のシリーズなんです♡
それもそのはず。歴代キャストさんには錚々たる方々のお名前が挙がります。
- 松下優也さん
- 古川雄大さん
- 立石俊樹さん
既に数作品上演されているシリーズですが、黒執事の大まかな設定をご存じの方ならどの作品から見始めても問題ありません。
シリーズを通して切ない物語が多いのですが、今回は特に下記の2作品をピックアップしてご紹介します♡
- Tango on the Campania…シリーズ第一章の集大成とも言える作品。殺陣や豪華客船の豪華絢爛なセットや衣装もおすすめポイントです。
- NOAH’S ARK CIRCUS…恐ろしく美しいサーカスの物語。人間模様で描かれる切なさがお好きな方には是非おすすめしたい作品です。
Tango on the Campania
第一章の集大成とも言える「-Tango on the Campania-」。
ある日、「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは、その真相を探るうちに「医学による人類の完全救済」を掲げる秘密結社・暁(アウローラ)学会の存在にたどり着く。
二人は調査のため、暁(アウローラ)学会の集会が開かれるという豪華客船『カンパニア号』に乗り込むが…。
Story – ミュージカル「黒執事」 -Tango on the Campania-
ある意味完全な悪”人”が出てくるわけではなく、誰もが自分の描く幸せ・平和のために動いているというところが切なく感じてしまいます…。
特に注目していただきたいポイントは、岡崎百々子さん演じるエリザベス・ミッドフォードの秘密が明かされるシーン。
今作のストーリーの本質であるカンパニア号の闇には関係ないのですが、切なすぎて見るたびに涙がこぼれ落ちてしまいます。
BABYMETALで活躍している岡崎さんの可愛らしさ・歌唱力の高さも必見です♡
ただ切ないだけではなく、岡崎さんをはじめとした実力派ぞろいのキャスト陣による作品としてのレベルの高さも見どころのひとつ。
フレッド・アバーライン役の髙木俊さんとシャープ・ハンクス役の寺山武志さんのテンポの良いコメディタッチな演技に笑わされる場面もあったりと、繰り返し見たくなる魅力がぎゅっと詰め込まれています。
NOAH’S ARK CIRCUS
数多くある2.5次元舞台シリーズの中でも、個人的にも大好きで印象的な公演のひとつが「NOAH’S ARK CIRCUS」。
胸が痛む描写や後味の悪い内容も出てくるので、「そこまでの切なさはちょっと…」という方は先ほどの「-Tango on the Campania-」をおすすめします。
原作ではサーカス編とも呼ばれており、ダークファンタジーな原作内でも随一のダークさと言っても過言ではないかもしれません。
それでもおすすめしたい理由はいくつかあるのですが、一番のポイントはサーカスを題材としている作品だからこその圧巻のパフォーマンスと演出♡
- 空中ブランコ
- 一輪車
- 綱渡り
などなど、サーカスならではのパフォーマンスが次々登場します。
それらのパフォーマンスの表現を、舞台上でどう行っているかは必見。
そして舞台だからこそ、漫画原作ではどうしても描き切れない「その場にいる他のキャラクターの表情」を楽しめるのも見どころです。
先ほどの 「-Tango on the Campania-」でも誰もが自分の描く幸せのために動いている…と書きましたが、本作でもそれは同じこと。
「ノアの方舟サーカス団」それぞれの幸せの結末が本作ではどのようになったのかを、是非見届けていただければ幸いです。
何度かキャスト変更を経て上演を続けている生執事。
第一章で長く主演を務められたセバスチャン・ミカエリス役の古川雄大さんも、ご自身のコンサートにてまたこの作品に出演したいといった意気込みも話しておられました。
今後の展開にも期待大!な作品です。
舞台「フルーツバスケット」
お次に紹介したいのは1998年から2006年まで連載されていた、高屋奈月先生の同タイトル漫画の舞台化作品♡
最近でも劇場版が上映されたりと、連載終了後も変わらぬ人気ですよね。
2022年に上演が行われた1stでは豪華な顔ぶれのキャストも話題となりました。
唯一の家族だった母親を亡くした高校生の本田 透は、一人でテント暮らしをしていた。
だが、その場所は学校の王子様的存在である草摩由希の暮らす『草摩家』の敷地内だった。
家主である草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、彼らと一緒に住むことになる。
由希を敵視する草摩 夾も加わり、透は想像もつかない運命に巻き込まれていく。
そう、『草摩家』が何百年も前から縛られている『呪い』という運命に…。
INTRODUCTION – 舞台「フルーツバスケット」
冒頭から「テント暮らしの女子高生」というパワーワードな設定が登場しますが、人の優しさが分かるとても素敵な作品です…!
草摩家の誰もが誰かを羨ましがり、そして「普通」になりたくてそれぞれが足掻く姿は胸がギュッと締め付けられます。
そしてパッ見何も持っていない透が1番幸せそうで、そしてそんな透と関わっていくことで草摩家の面々が変化していく様子も見所です。
他にも原作を知っている方に注目していただきたいポイントのひとつが、変化した後の姿♡
変化した動物の姿の可愛らしさはもちろんのこと、キャストさんの中にはかなり若々しい方も。
ほっこりとしてしまう要素も盛りだくさんあるので、「切ない作品を見たいけど、甘い要素も欲しい。」そんな方にもおすすめです♡
2023年には2nd seasonも上演されている舞台「フルーツバスケット」。
新にキャスティングされているキャストさんの中には原作の真相に触れている部分もありそうきたかー!と原作好きの方にはたまらない内容になっているかと思いますので是非劇場や配信でご覧になってみてください♪
「BANANA FISH」 The Stage
1985年から1994年にかけて連載された同名漫画が原作の「BANANA FISH」 The Stage。
実はこれまで4回舞台化されています♡
今回は2021年版をおすすめさせていただきます!
ニューヨーク・ダウンタウン。17歳の少年、アッシュ・リンクスは、圧倒的な戦闘力とカリスマでこの街のストリートギャングたちをまとめ上げていた。ある夜アッシュは、瀕死の男から何処かの住所と「バナナフィッシュ」という言葉を伝えられ、その意味を調べ始める。
<中略>
「バナナフィッシュ」を巡る企みを追及する中で、魂が惹かれ合うように絆を深めていくアッシュと英二。互いを唯一無二の存在として守ろうとする2人に、幾多の苦難が襲いかかる…。
STORY – 「BANANA FISH」The Stage -前編- 公式サイト
クールでカリスマ的な存在のストリートギャングのアッシュと、純粋で優しい性格の英二。
普段なら出会わなさそうな二人がストリートギャングの取材を通して出逢い、事件に巻き込まれていきます。
原作の連載時期はかなり前ですが、今なお根強いファンが多くいる作品。舞台化の際は大いにSNSが賑わいました。
その人気もうなずけるほどの名作なので、是非原作も読んでいただきたい…!
2021年に上演された舞台では前編・後編に分かれて構成されており、ヘビーな内容の原作をゆっくり噛みしめながら見ることができます♡
1公演完結だと心が追い付かなかったはずなので、分けてくださったのは本当に嬉しい配慮。
その分リアルタイムで見ていた際は前編を観終わった後「後編…後編はまだ…?」となりました。
原作のタイトルを聞いたことがある方だと、「バナナフィッシュって…BL作品じゃなかったっけ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
「BL作品か?」という解釈については個人差があるのでここでは触れませんが、「切ない」という観点で見れば今回ご紹介した作品や、私がこれまで観た作品の中でも最上位と言って過言ではありません。
なので最後に紹介させていただきました♡
2.5次元舞台は漫画やアニメを原作とした舞台。
漫画やアニメは人の手で作られた物なのですから、リアリティーショーや現実の世界とは違い、「めでたし、めでたし。」というエンドにすることも容易のはずです。
バナナフィッシュのおすすめポイントのひとつは、「全員が幸せになるエンド」では決してないというところ。
原作が長年愛され続ける理由に、とにかく美しくも儚く切ないストーリーが挙げられます。
そんな美しくも儚い物語のメインをつとめたのは、ビジュアル・実力ともに高評価のおふたり。
- ミュージカル『刀剣乱舞』山姥切長義役
- 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』入間銃兎役 など
- ミュージカル『刀剣乱舞』 鶴丸国永 役
- 「進撃の巨人」-the Musical- エレン役 など
原作を読んだことのない方も、是非騙されたと思って前編だけでも観てみてください♡
綺麗で、脆いが故に惹かれる
皆さんも日々生活していく中でどうしても気持ちがすり減ってしまうことがありますよね。
頑張りが必ずしも報われるわけでもありませんし、ついつい心が荒んでしまう事もあるでしょう。
そんな時にこちらでご紹介したような切なくなる作品に触れてみて、その切なさ故に惹かれる美しさに心を洗われてみてはいかがでしょうか?
色んな作品の2.5次元舞台を観たいなら、DMMTVが断然おすすめ♡
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