【刀ステ感想】舞台「刀剣乱舞」无伝 夕紅の士-大阪夏の陣-に墜ちてみて

2部作での新作発表など…追加発表が行われる度にSNSを賑わせていた舞台『刀剣乱舞』。

先日、舞台「刀剣乱舞」无伝 夕紅の士-大阪夏の陣-を観劇しにIHIステージアラウンド東京へ行って参りました!

今回はそんな刀ステ、无伝「大坂夏の陣」を観た感想をお伝えしていこうと思います♡

これから見る方に向けた記事のためできる限りネタバレはしない方向で書いてはいきますが、「観劇前には一切の情報を遮断したい!」という方はここで一旦読むのは中断し、観劇後に是非ご一読くださればと思います。

また、感想には過去の刀ステシリーズも含まれます。

管理人

今回の感想は、あくまで管理人個人の感想です。

无伝 夕紅の士-大阪夏の陣-を観る前に

青空をバックにした天伝のメインビジュアルとは対照的な无伝。

会場で記念写真を撮られるのであれば、ソワレ後の方がライトが相まってとてもポスターの色味にマッチしているように感じました。

「天伝」のラストは爽やかな青空が描かれてはいましたが、その不穏すぎるラストシーンで…ご覧になった方は无伝が気になって仕方がなかったのでは。

そして今回ようやく上演された无伝。

近藤頌利さん演じる大千鳥十文字槍と熊谷魁斗さん演じる泛塵、メインビジュアルではご覧の通りこの2振のみが背を向けて振り返っている状態です。

それ以外の刀剣男士はこちら側を見下ろしているような視線を向けていることから、「何かあるのでは…?」という予想をしていた方も多かったのではないでしょうか。

管理人

天伝のメインビジュアルでも、同じように「視線の違い」での刀剣男士の違いがありました。
公式より出ているあらすじを要約
  • 天伝における大坂冬の陣は、山姥切国広らにより1度は守られたように見えた歴史だった
  • しかし、定められた未来に一矢報いようと歴史とは異なる局面で真田信繁が自刃
  • それにより状況は一変
  • その現場に居合わせた大千鳥十文字槍と泛塵が影武者を立て、表向きの歴史は問題なく進んでいるかのように見えていた
  • そこへ今度は大坂夏の陣にへし切長谷部を隊長とした三日月宗近、鶴丸国永、数珠丸恒次、骨喰藤四郎、薬研藤四郎が出陣
  • 偵察をしたところ「豊臣秀頼率いる軍勢が徳川秀忠率いる幕府軍に連戦連勝をしている」という史実とは異なる事態
  • 刀剣男士達はそこで歴史上存在するはずのない真田十勇士を名乗る人物達に出会う

刀ステはシリーズを通して観ていないと中々に理解が難しい作品ですが、今回の天伝・无伝は同時発表されただけありかなり密接したストーリーとなっています。

基本的に時間軸がバラバラに発表されているシリーズですが、今回の2作品は続けての時間軸

前作との繋がりも含めて色々なポイントが気になりますし、数々の憶測が生まれてくるので観ているだけでどっと体力が削られていくような気がします…。

まずは憶測も含めた過去作品との繋がり等も含めてご紹介していきたいと思います。

前作「天伝」を未観劇の方は特に、ネタバレがたくさん含まれているのでご注意を…!何度か見直してネタバレかなり削りましたが、まさに「どこを切り取ってもネタバレ」になってしまうのが无伝です。

前作のおさらい

前作にて、小松準也さん演じる豊臣秀頼は「豊臣とは何なのか、自分とは何なのか、父親を抜きとした豊臣秀頼とは何者なのか」という己の存在価値について悩んでいました。

そして、北乃颯希さん演じる太閤左文字により曇り空から澄み渡る青空のように晴れた心持ちとなったことがなによりも救いでしたよね。

刀剣男士達がその歴史を離れると「そこであったことの記憶」は人々の中から消えますが、長年の悩みが消え去った秀頼の表情は天伝の鬱々とした様子から打って変わって自分の道を信じている若者そのものでした。

「間に合った」という単語が度々使われていた天伝。

それに対し、今回の「无伝」のキーワードは個人的には「天下」ではないかな、と思いました。

厳密に言うと天下ではなく天下への解釈とでも言いましょうか…。

  • 秀頼にとっての天下はゴールであったり父親から譲り受けるもの
  • 徳川秀忠にとっての天下は太平の世を治めるための手段謂わば過程

秀頼は天伝にて自分とは何者なのかという悩みを解決はさせました。

しかし、それ故に父親を越えて天下を手にしようという執着をより強く持つようになったようにも感じます。

管理人

父親である豊臣秀吉を越えたいという思いから天下を欲し、父親の見た大阪を自分も同じ目線で見たいと思ったのかもしれません。

「天下を手に入れる才と太平の世を治める才は別物である」というのは正にその通りで、この无伝においての秀頼にはその才がなかったのでしょう。

なにしろ天伝での秀頼も、ただ父親に追いつきたいという一心で戦を喜ぶような一面を覗かせていましたから…。

真田十勇士について

今回のストーリーにおいて重要な役割を担っている真田十勇士

あまりご存じない方の為にもおさらいのためにも、さらっと説明させていただきます。

真田十勇士とは
  • 戦国時代末期から江戸時代初期にかけての武将達
  • 真田信繁(真田幸村とも言われているものもあります)に仕えたとされる10人の武将達

ですが、あくまでもこれは史実ではなく架空のキャラクターで実存はしません

科白劇 舞台『刀剣乱舞』改変いくさ世の徒花の記憶で演出の一環として出演されていた神田山緑さん。

神田山緑さんが「綺伝」でなさっていたような講談によって当時より好まれていた架空のキャラクターです。

勿論、元となった歴史的な由来を持ったキャラクターも中にはいますし、真田十勇士以外の作品にも多く登場することのあるキャラクターもいたりします。

それゆえ「作品そのものを知らなくてもこの名前知ってる!」という方もおられるのではないかと思います。

真田十勇士達には原作においても各々得意とすることがあるのですが、それが刀ステ流にアレンジされていたり、IHIステージアラウンド東京だからこそ出来る演出もあるためそこには是非とも注目していただきたい次第です♡

无伝に登場する刀剣男士たち

やっとここで刀剣男士の皆さんについてそれぞれ言及していきたいと思います。

无伝を観劇した際に気が付いたことや管理人の思った魅力を書いていきますが、ネタバレにならないようにしているので少しふんわり表現しています。

三日月宗近役、鈴木拡樹さん

最初はやはりこのお方ですよね!!

いつか帰ってきてくれると首を長くして待ちわびていた方も多いことでしょう…。

三日月宗近役の鈴木拡樹さん。

悲伝 結いの目の不如帰にて鈴木さんの演技に涙し、これ以降はどうなるの…?と不安に思っていたところでしたので刀ステに舞い戻ってくださり科白劇の配信後の映像では思わずガッツポーズをしたものです。

もちろんこれまでのシリーズに出演されていたどのキャストさんも素敵な方々ばかりなことには変わりないのですが、鈴木さん演じる三日月がその場にいるだけで安定感…と言いましょうか、雰囲気や空気感が違うな、といった感じが取れました。

殺陣シーンでも思わず目を見張る魅力というか…。

詳しくは観てのお楽しみですが、のらりくらりと相手の言葉をかわしているようで、事の真髄に触れた瞬間声音や目付きがサッと変わるその演技力に感服です。

個人的に今回の作品は8振り中4振りが初演に出演されていた方々ということもあり、シリーズ通してのファンには嬉しいキャスト陣だったのではないかと思います。

染谷さん演じる鶴丸と本丸のことを語り合うシーンはこれまでのシリーズが思い返されて思わず涙がこぼれ落ちてしまいました。

数珠丸恒次役、高本学さん

先ほどご紹介した三日月宗近と同じく、天下五剣の一振である数珠丸恒次役を務められている高本学さん。

刀ステ初出演ということですが、メインビジュアル発表時からその高い再現クオリティには驚かされました。

数珠丸と言えば長い髪の毛と閉じられている目元が気になるところですよね。

元々ぱっちりとした大きな瞳の持ち主である高本さんなのですが、それが全く気にならない程常に伏し目がちでおられる為違和感はゼロ。

と言うか、「長い髪の毛のキャラクター」というだけでも殺陣では不利なのに…よくあの伏し目状態であれだけ動くことができるな…?!という純粋な感動しかありませんでした。

そして数珠丸は自身の名前の「数珠丸恒次」、さらには仏教用語など…とにかく発音しにくい単語を多く口にするキャラクターでもあります。

初回の配信時は緊張なさっていた印象でしたが、2回目の配信時やその後の私が観劇をした際にはかなり上達なさっており、本番中にもキャストさんは成長しているんだな…と改めて感じました。

初出演に、演技をする上で難しいポイントが数多い原作キャラクター…。

3か月という短い公演期間の中でも様々な重圧を乗り越えていく高本さんにこれからも目が離せません。

骨喰藤四郎役、三津谷亮さん

鈴木さんと同じく、悲伝以来の出演となる骨喰藤四郎役の三津谷亮さん。

天伝に出演されていた北川尚弥さんとは、同じ骨喰でも別個体の同じ刀剣男士というところも気になるポイントですよね。

三津谷さんは一輪車の世界大会で二度も1位を受賞なさったご経験のある高い身体能力を持たれている方。

殺陣にもその高い身体能力の片鱗が充分に表れていて、思わず目を奪われるシーンの多さたるや…。

あんなに激しい殺陣をしている中であんな体幹が出来るって、一体どんな身体の構造をしているんですか…?と尋ねたくなるレベルでした。

北川さん演じる骨喰と比較するととにかく三日月のことが心配でならない様子で度々心の内を数珠丸に吐露している様子が印象的でした。

悲伝の際に誰よりも早く三日月の変化に気が付いたのも、この時の経験からなのではないだろうかとすら考えらました。

薬研藤四郎役、北村諒さん

「短刀」の特徴でもあるハーフパンツ姿で美脚を披露して下さった薬研藤四郎を演じられた北村諒さん。

今回ご出演なさっている中で、短刀は北村さんのみ。

機動力や殺陣も、他の刀剣男士達とは間合いの取り方・構え方から全く違います。

そして刀や鞘でやり合うと言うよりも割合アクロバティックな動きも多いので、是非そこにもご注目いただければと思います♡

特に河合龍之介さん演じる霧隠才蔵との対戦はお二人の殺陣のうまさが相まって観ていて「手に汗握る」を超え思わず息を呑んでしまう程でした。

また、薬研と言えば審神者のことを「大将」と呼んだり、見た目の儚さとは真逆な男前な性格をしているというギャップもあるキャラクター。

和田雅成さん演じるへし切長谷部相手に、まるで保護者のような立ち振る舞いで対応する姿に思わずきゅんとしてしまいました♡

同じ織田信長の元にあった刀剣同士ということもあり、他のシリーズでも共にいること多いペアでしたが背中を預け合うシーンは思わず見入ってしまいます。

へし切長谷部、和田雅成さん

そしてそんなへし切長谷部を演じておられる和田雅成さん。

悲伝・慈伝でも惑う事なく「主や本丸への想い」を確固たるものとしていた長谷部でしたが无伝はその時間軸よりも前のもの。

そして和田さんご自身もTwitterにて発されていましたが、今作は待望の長谷部が隊長ということもあり張り切っている姿には微笑ましさすらあります。

実際に目になさった方は疑問に思うのではないでしょうか、「和田さん演じる長谷部って高身長でイケメンなのに何処となく可愛らしさも兼ね備えているのはどうして…?」と。

時間軸で言うと无伝は如伝の後且つ悲伝の前。

ここでの出来事があったからこそ決心が着いたのであろうと思うと、もう目が離せない展開になるのはおわかりいただけるかと思います。

これまでの刀ステシリーズでは日替わりの餌食となることの多かった長谷部ですが、今作では戦いに貪欲な姿勢を見せておりとにかくかっこいい長谷部の詰め合わせといった感じです。

大千鳥十文字槍役、近藤頌利さん

そして観劇した後だと何度でも大千鳥のフレーズを言いたくなる、近藤頌利さん演じる大千鳥十文字槍。

これまで刀ステに登場した槍は成松慶彦さん演じる日本号のみでしたから、その殺陣に注目された方も多いのでは♡

身長184cmという今作の刀剣男士の中では随一の高身長を持つ近藤さんだからこそな大迫力な立ち回りにはかなり驚きました。

これまでも「ハイパープロジェクション演劇ハイキュー!!」や「おおきく振りかぶって」でのその高い身体能力を活かしたお姿はお見かけしていましたが、ここまで長物の殺陣が出来る方だとは知らなかったもので…。

真面目すぎる大千鳥ですが、刀剣男士の中では確固たる史実としてよりもそれこそ「真田十勇士と同じく講談等で語られ形作られた」とも言われる曰く付きの刀剣。

そんな大千鳥とは対極にありつつも同じ主を持った過去のある三日月とのやり取りは、コミカルなテンポの良さも面白いですが、それ以上に互いが抱える刀としての在り方や刀剣男士としての在り方の違いも考えさせられるものがありました。

泛塵役、熊谷魁斗さん

近藤さんと同じく今回新刀剣男士として出演されている泛塵役の熊谷魁斗さん。

これまでリボステのフゥ太やあんステの紫之創など…可愛らしい印象のキャラクターを演じることの多かった熊谷さん。

「これまでとは違った一面」を見る事ができたという意味でかなりファンの方には嬉しいキャスティングだったのではないでしょうか。

政府の刀という意味でも、そして同じ元主を持つ大千鳥への並々ならぬ想いがあるという意味でも他の刀剣男士とは少し違った立ち位置にいた泛塵。

和泉守兼定と堀川国広とはまた違った関係性ながらも、互いを気遣い合う姿には胸が熱くなります。

もしも近藤さんの大千鳥と熊谷さんの泛塵が気になっている方がおられるのであれば、今作を絶対に見て欲しいです…!!

鶴丸国永役、染谷俊之さん

維伝ぶりのご出演となる鶴丸国永役の染谷俊之さん。

同じ刀剣男士である、健人さんの鶴丸が1人ではしゃぐタイプだとしたら…染谷さんの鶴丸は周りを巻き込んでいくタイプ。

とりあえず染谷さんに日替わりを任せておけば一安心ですし、へし切長谷部役の和田さんが一波乱な様は重いストーリーが中心の刀ステシリーズではファンの心の癒しにもなっていますね。

今作も刀ステならではな全体的にかなり辛いストーリー構成となっていますが、そんな中で染谷さんの鶴丸が周りを巻き込んで全力でアドリブをかましてくれるのは心の安寧を保つためにはかなりありがたい存在となっています。

まるで夢の国でキャラクターに出会った子どものようにきゃっきゃとはしゃぎながら立ち向かっていく鶴丸は、個人的に絶対に観ていただきたいところ。

キャラクター性ゆえに今回も三日月宗近のサポートのような立ち回りが多くあり、特に三日月と背中を預け合い「言ってみたかった台詞」を口にするシーンは必見です♡

無なる逸話から生まれた真田十勇士達

先ほども少しご紹介した通り、「逸話」から生まれた真田十勇士。

天伝にて刀ステにおいての逸話は「人から人へ長い年月をかけて語り継がれたもの」とされていました。

その定義をもってするならば、真田十勇士達が完全体で顕現されたのにも頷けますよね。

しかしそれでは一体、真田十勇士達は誰が顕現したのか…?

観劇済みの方であればなんとなくお察しされているかとは思いますが、何者かが口にしていた不穏な台詞。

そして三日月宗近と鶴丸が本丸のことを話していている際に、過去作品のことをご存じの方ならお気づきになった方も多いかもしれません。

そこにいる刀剣男士と、いるはずなのにその場にはいない刀剣男士…次に続く作品が今から楽しみであり、そして不安でしかありません…。

大迫力のIHIステージアラウンド東京

IHIステージアラウンド東京と言えば360度回転する客席が何よりの目玉です。

天伝では1幕であまり回転していなかったように感じていたのですが、それに比べると无伝は1幕からかなり装置を使用されていたようでした。

その為座席によっては揺れや動きを割と感じる部分もありました。

個人的には前方席ですとステージが180度使用されている際に全体を観ることができなかった為、後方席の方が観やすさで言うと良かったかもしれません。

もちろん、前方席では臨場感が更に強く感じられたのでどのお席でも充分に楽しむことができますよ♪

ラストのカーテンコールではまるで穏やかにお散歩しているような三日月宗近と、一路真輝さん演じる高台院。

まるで夢を見ているような感覚になって更に涙が溢れてきました。

一路さんは元宝塚歌劇団で男役のトップスターさんであったということもあり、演技力・歌唱力共にクオリティが高く、凛とした女性でもある高台院にはぴったりでした。

科白劇に出演なさっていた細川ガラシャ役の七海ひろきさんがイケメンなお姉様だとしたら、一路さんは包容力のある正に母親のような存在です。

三日月宗近の元主ということもあり、今作の発表時には頭を抱えた審神者様も多いことかと思います。

しかし、ラストシーンの晴れやかな表情を観たらもう何も言えません…。

どう見てもハンカチ必須な作品となっておりますので、これから見る予定の方は是非ハンカチをお忘れなきよう気を付けられてくださいね!

綺伝が改めて上演されることも発表されましたし、次回作への布石がありまくりな今作ということもありこれからも刀ステの動向には目が離せません…。

とりあえず、全公演終了後に発売される予定の円盤で何度も反復してこの物語を味わいたいと思います。

刀ステに登場した真田十勇士って?无伝以外にも、様々な作品で活躍する勇猛な志士たち

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